猫の歯科疾患
猫の歯科疾患には、歯周病や吸収病巣、歯肉口内炎、外歯瘻などさまざまな病気があります。
猫の歯周病

歯垢や歯石の蓄積によって歯肉に炎症が起こり、進行すると歯を支える組織や歯槽骨が破壊されます。口腔内の状態を詳しく評価し、歯の状態に応じた治療を実施します。
吸収病巣

歯が徐々に吸収されていく疾患で、猫では比較的多くみられる歯科疾患です。強い痛みを伴うことがあるため、歯科用レントゲンによる病変の評価が診断に重要です。病変の状態を確認し、抜歯など適切な治療を行います。
歯肉口内炎

口腔内の広範囲に強い炎症や潰瘍が生じ、強い痛みを伴う疾患です。食欲低下や体重減少など、全身状態に影響することもあります。口腔内の炎症の範囲や歯の状態、全身状態を詳しく評価し、全臼歯抜歯または全顎抜歯を行います。
若年性歯周病

若齢の猫では、若年性歯肉炎や若年性歯周炎がみられることがあります。歯肉の炎症だけなのか、歯周組織まで病変が進行しているのかを確認するため、歯科用レントゲン検査による評価が必要です。状態を詳しく確認したうえで、適切な治療をご提案します。1歳前後から歯肉の炎症が持続する場合は、早めの診察をおすすめします。
歯槽骨炎・犬歯の挺出

歯槽骨炎は、歯周病や吸収病巣などに伴って生じることが多く、上顎犬歯でよくみられます。炎症によって歯槽骨が変化し、犬歯が挺出(歯が伸びたようにみえる)して口腔内に問題を生じることがあります。歯や歯槽骨の状態を詳しく評価し、原因となる歯の抜歯を行います。
破折に対する保存治療

歯が折れても保存可能と判断した場合は、根管治療を行い、歯の機能を維持しながら長期保存を目指します。破折の状態や歯髄・歯根周囲の状態を詳しく評価し、治療方針を決定します。猫では特に犬歯の破折が多くみられます。
破折に対して抜歯

破折により歯髄の感染や歯根周囲の病変を伴うなど、保存が難しい場合には抜歯を行います。破折から時間が経過した症例では、歯根吸収や歯槽骨の炎症を伴うことも多く、痛みや腫れなどさまざまな症状を示します。歯や周囲組織の状態を詳しく評価し、適切な抜歯を行います。
犬歯の歯冠短縮

下顎犬歯の位置や咬合によって、対合する歯や口腔内の組織に外傷を生じる場合があります。特に上顎犬歯の抜歯後や、口腔内腫瘍に対する顎骨切除後など、咬合関係が変化した際に歯冠短縮を行うことがあります。歯の状態を評価したうえで適切に処置し、口腔内の外傷を予防します。
歯肉粘膜の外傷(下顎頬側の歯肉粘膜)

上顎臼歯(奥歯)の咬合状態によって、下顎臼歯頬側の歯肉粘膜に慢性的な接触が生じ、潰瘍や肉芽病変を形成することがあります。出血や疼痛を伴うことも多く、外傷の原因となる歯や咬合状態を詳しく評価します。必要に応じて抜歯や歯冠短縮などを行い、粘膜への接触を改善します。
外歯瘻

歯の根の感染によって膿が歯の周囲から皮膚側へ排出され、顔や顎に腫れや排膿路が形成される状態です。破折歯や歯周病などが原因となることがあり、歯科用レントゲンで原因となる歯や歯根周囲の状態を詳しく評価します。原因歯に対して抜歯や根管治療を行い、感染源の除去を目指します。
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